東京都・練馬区江古田で開催されている『禁煙アコースティック・フリーインプロジャムセッション』(以下『禁煙セッション』)に参加しました!
フリー・インプロヴィゼーションのセッションに実際に参加してみると、どんな様子なのか?このレポート記事をぜひ参考にしてください。
禁煙アコースティック・フリーインプロ・ジャムセッションとは?
『禁煙セッション』は、東京都江古田近辺にあるライブカフェ「カフェ・フライングティーポット」で定期的に開催されている、フリー・インプロヴィゼーションのセッションです。ホスト・主催は山下渉(やました わたる)さん。
概要
- 日時: 毎月いずれかの水曜日 20時*
- 会場: 東京・江古田「フライングティーポット」
- アクセス: 西武池袋線「江古田駅」から徒歩2分、または有楽町線「新桜台駅」2番出口から徒歩5分
- ホスト: 山下渉(チェロ、アコースティックギター)
- 参加料: ¥1,500~(基本参加料 ¥1,000 + 飲食1オーダー ¥500~)
- 予約: 不要
- 楽器: アコースティック楽器・ヴォイスパフォーマンス・または身体表現のみ。ピアノは店内にありません。
*今回参加した回は、まんぼうの影響で19時開始でした。
ホスト紹介・山下渉(やました わたる)さん
山下渉(やました わたる) ギター&チェロ奏者
20代にロックバンドでの活動を経たのち、90年代より舞踏や舞台芸術とのコラボレーションにてギターでの即興演奏を開始。2010年代後半にチェロ演奏をはじめる。現在は複数のユニットでライブ活動中。
会場「カフェ・フライングティーポット」
「カフェ・フライングティーポット」は、江古田にあるアート・スペース。店内には雑誌や漫画などが置いてあり、定期的にギャラリー展示も行っています。
普段はプログレ、フリー・インプロヴィゼーションのような前衛的な音楽ライブ、誘拐映画(!)の上映会『融解座』など、ユニークなイベントが目白押し。
テーブル席も多く、飛沫防止のプラ板も設置してあります。
会場到着!まずはお支払いから
今回、参加したのは2022年3月17日(水)第32回。この日、筆者は電車の遅延により、開始時刻19時に10分ほど遅れての到着でした。
『禁煙セッション』は予約不要で、基本的には入退出自由です。ただ、開始時刻に遅れると演奏中に入室することになるので、慣れないうちは開場〜開始前に到着することをおすすめします。
地下階段を降りて入り口のガラス戸から様子を伺うと、一組目のグループが演奏中。
そっと入店したら、まずは受付で参加料とドリンク代のお支払い。決済手段は現金のみです。
500円分のドリンクチケットを受け取り、お好きな席へ。筆者はカウンター席に座りました。そのままマスターにチケットを渡し、ドリンクをオーダー。楽器を準備して、いったん待機です。
初参加の方や、初顔合わせ同士の参加者がいる時に、セッション開始前か終了間際に簡単な自己紹介を行うことがあります。といっても、自分の名前と演奏楽器を言うだけのシンプルなあいさつでOK。
セッションの参加者
一組目の演奏が終わると、ホストの山下さんから「楽器の準備ができていたら、次のグループに参加してくさい」と声をかけてもらったので、二組目からさっそく参加!
この日の参加者は、
- ギター×2
- ヴォイス・身体表現 ×2
- サックス
- ヴァイオリン
- トランペット
- クラリネット
- オクターヴ・マンドリン
でした。使用楽器はアコースティック限定ですが、ギターの音量増幅用のアンプ機材などはOKです。
はじめは7人ほどだった参加者はどんどん増えていき、最終的には10人ほどの参加者に。店内は盛況でした。(カフェ・フライングティーポットのおおよそのキャパは20~30人ほど)
セッションの進行
『禁煙セッション』は2時間で行われます。
今回は参加者も多かったため、3~4人の多人数グループでの演奏が多く、一組あたりの演奏時間は7分ほど。参加者の人数次第で、デュオが多くなる日もあります。
演奏が終わるごとに、ホストの山下さんが次、またはさらにその次までのグループメンバーを指定していきます。「次の人はxxさん、●●さん、▲▲さん。その次は◯◯さん、◆◆さん……」という具合です。
今回、実際にあった組み合わせを一部、紹介します。
- トランペット、ギター、サックス
- マンドリン、身体表現、アコースティック・ギター(ホスト)
- ヴァイオリン、サックス、チェロ
- ヴォイス、クラリネット、ギター、チェロ
これだけでも、いったいどんな即興が起きるんだろうという気持ちになってきます。フリー・インプロ・セッションでは、こういった普段なかなか見られない組み合わせが実現するのも、楽しみの一つです。
休憩、そして後半へ
開始から1時間ほどたつ頃に10~15分程度の休憩を挟みました。ドリンク片手に歓談したり、一息ついたりして、そのまま後半へ。基本的な流れは前半も後半も変わりません。
演奏内容は、人によってさまざま。ノイズっぽいフリー、ジャズっぽいフリー、デレク・ベイリー的なフリー。即興で詩やセリフを語り出す人も!
終了時間が来たら、山下さんが「本日はこれでおしまいです」と〆。この日は、ライブ活動などしている参加者が多かったからか、参加者の宣伝コーナーがありました。筆者も当メディアと『セッション・りぶる』の紹介をさせていただきました。
まとめ・『禁煙セッション』はインプロ・セッションに慣れていない人にもおすすめ
では、最後に『禁煙セッション』の様子をまとめてみましょう。
「禁煙」そして「アコースティック限定」
ライブハウスや会場によっては、喫煙可能のことも多いですが、『禁煙セッション』はもちろん“禁煙”。タバコの煙が苦手でも安心して参加できます。
また、アコースティック楽器限定であるため、大音量に慣れていない人でも参加しやすいかもしれません。
会場にピアノはなし
「フライングティーポット」にはピアノやキーボードが設置してありません。そのため鍵盤楽器での参加はできません。鍵盤ハーモニカを持参するのもあり……かも?
参加者の演奏レベルは?
「楽器演奏が上手い人じゃないと参加できないのでは?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。そこで、ホストの山下さんに参加者の演奏レベルについて伺いました。
参加者の演奏レベルは問いません(そもそも私自身がチェロについては初心者ですし)。
演奏技術よりも、即興演奏に際して自分や他の参加者の音を聴き・聴かれる姿勢を学び合う、経験の場としてこのセッションを考えているためです。
各グループの演奏者を組み合わせる際も、演奏の出来というよりも個々の経験値としてプラスになる要素があるか? を考えています。
山下さんは、あくまでこの『禁煙セッション』を経験の場としてとらえていらっしゃいます。
「楽器や即興演奏の上手い下手」ではなく、「きょうは何をしようか?」「どんな音を出してみようか?」「他の人はどんなことをしてくれるのかな?」──と、まずはいろんなことを試すつもりでトライしてみてはいかがでしょうか?
落ち着いた雰囲気
「フライングティーポット」は地下フロアですが、店内は明るく、10人程度なら余裕を持って着席できます。
参加者の年齢層は、学生から大人まで幅広く。自分の出番でないときは、みなさん飲み物を飲んだりスマホを見たりリラックスしつつも、静かに聴いている印象。
休憩中も、ひとりでくつろいでいる人、参加者同士あるいはホストと語らう人、さまざまで、筆者は人の目が気になりませんでした。
「騒がしいところは苦手」「暗かったり狭いところは苦手」という方も、ゆったり参加できるのではないでしょうか。
お手頃な参加料
都内のセッションは、オーダー込みで¥3,000ほどかかるところも多いのですが、『禁煙セッション』は¥1,500で1drinkつき!(¥500を超えるオーダーは超過分を別途支払います)
ドリンクにはアルコール類はもちろん、コーヒーやココア、カフェオレ、ジュース類などソフトドリンクも充実しています。お砂糖などはセルフサービス。(飲料物の提供は蔓延防止令などによって変更する場合があります)
「フライングティーポット」周辺について
「フライングティーポット」の最寄駅は複数あります。有楽町線「新桜台駅」は、横浜方面から東急東横線直通で乗り換えなしに出ることができます。
もうひとつの最寄駅、西武池袋線「新江古田駅」周辺はラーメン激戦区。ラーメン好きにはたまりません!
会場周辺の商店街「江古田ゆうゆうロード」は、昔ながらの居酒屋・商店と、モダンなカフェスタンドやフルーツサンド店などが混在しています。セッション前に、ちょっと散策するのも楽しいかもしれませんね。
『禁煙セッション』最新スケジュールはFacebookページで!
『禁煙セッション』には公式Facebookページもあります。今後の開催予定、過去のセッション写真がまとめてありますので、参加を検討されている方はぜひチェックしてみてください。
『禁煙セッション』は予約不要で、参加料も比較的安く、気軽に立ち寄ることができます。また、アクセスも良好で、会場周辺をふらっと立ち寄るのもまた楽しいかも。
ぜひこの機会に、『禁煙セッション』に参加してみてください。よいインプロ・ライフを!