2024年4月16日, 4月21日に開催される〈作品 #3 -俳優とヴァイオリニストとホルニストによるインプロヴィゼーション〉。
2回目の制作レポートは、いよいよ始まったリハーサルの様子をお届けします!
〈作品〉シリーズは、“ヒトはどこから作品なのか?”という問いかけをテーマに、俳優・岡本唯とヴァイオリニスト・加藤綾子が行うインプロヴィゼーション公演。2021年より開始。
岡本唯さんによる叩き台を元にリハーサル開始
前回のクリエイションではほとんど音出しをせず、アイデアの出し合いに時間を尽くしました。その後さらにリモートによる打ち合わせを経て、岡本唯さんが公演全体の流れを書いた叩き台を制作。
- 演劇としての「輪」、音楽としての「輪」など、さまざまな視点から考えた「輪」を演目として扱う
- 円周上を歩きながらパフォーマンスする「行進」のパートを支柱に据える
という大枠が見えてきました。ここまできたら、あとは3人で実践あるのみ!
実際に身体を動かすことで気づく「輪」と私たちの関係
まずは、大量の椅子を倉庫から運び出す作業から。実際の会場「SCOOL」の空間を思い浮かべながら、おおよその形に並べていきます。最初は楽器を(ほとんど)使わないパフォーマンスということで、立ち位置・動きを確認しながら相談。
実際に動いてみると、想像とは違った導線になったり、メンバーから思いがけないアイデアが飛び出してきます。
「これ、横に並ぶんじゃなくて、円周上に散らばったほうがいいんじゃない?」
「ホルンだったら身体の向きはこっちにしたいね」
「ルールはあるけど、もっと自由に動いてもいいんじゃないかな」
「『この人たちは明日もどこかで勝手に行進してるんだろうなあ』って思われてほしい」
演目はどんどん進んでいきます。いずれの時間も、主な話題は「出演者や楽器、それぞれのパフォーマンスを生かし切るにはどんな立ち位置・動線がよさそうか」「コンセプトの『輪』の扱いは納得のいくものか」という2点でした。
今回の〈作品〉を形作るコンセプトやいくつかのルール、そして出演者がそれぞれ個として共存し、ひとつの場所を作るための模索が続きます。
出演者それぞれの個性も明らかに
動きながら即興セッションを重ねていくうち、お互いの面白さ・個性もどんどん見えていきます。今回はとくに、ゲストの近藤圭さんのパフォーマンスが冴え渡りました。
さまざまなホルンを扱う近藤さんですが、今回、持ってきてくれた楽器は、一般にバルブ・ホルンと呼ばれるもの。現在、西洋のオーケストラや吹奏楽など、もっとも多く目にする機会の多い楽器です。
ホルンはその形状から、演奏者の脇〜背後にもっとも強烈な音圧が吹きつけられます。今回は「行進」パートなど動きながら演奏する場面が多いため、近藤さんは、ホルンを自在に操りながらさまざまな方向に楽器を鳴らすのです。その楽器の音色・動きの変化が耳にも目にもおもしろく、また新たなアイデアが生まれてゆきます。
4月に迫る〈作品 #3〉開催に向け、リハーサルは本格化!
そうこうしていうちに、会場の閉館時間になってしまいました。
ホルンにヴァイオリン、カメラ三脚、それに大量の椅子……出手分けしながら大急ぎで撤収します。
本当ならこのまま軽く晩ご飯でも……というところ、お互い、翌朝が早いため名残惜しくも解散。次回クリエイション(リハーサル)までの宿題を確認しあいます。
そしてこの日は、〈作品 #3〉出演者へのインタビューも行われました!
こちらの記事・動画は近日中に公開される予定です。“どこから見てもヒトは作品になる”──本公演のキャッチコピーにぴったりな、出演者それぞれのバックボーンを深掘りする内容になりました。どうぞお楽しみに!
今後も当サイトで〈作品 #3〉公演制作の様子をお届けしていきます。どうぞお楽しみに!